定常的に繰り返し実施すること #
特に期限設定がないものは、後日「チームビルディングハンドブック」へ移動させます。本セクションでは、特にオンボーディングで効果的と考えられる項目を取り上げます。
成果共有・ウィンセッションの実施 #
状況 #
新メンバーの活動はトレーナー以外からは見えづらいです。どんな成果を上げているのか、どんなことに困っているのかがわからなければ、周りのメンバーが支援することやフィードバックをすることが困難になります。 また、新メンバーも周りからのフィードバックを得られないため、孤立しやすくなり、チームへのエンゲージメントが高まりづらくなります。
解決策 #
毎週金曜日の夕方に、小さな進捗でも「できたこと」を発表し、お互いに褒め合う場を設定しましょう。チーム内で誰が何をやっているのかが可視化され、チームメンバー同士の支援やフィードバックが実施しやすくなります。また、お互いに感謝を示すことで、進捗を出すモチベーションにもつながります。
業務の可視化 #
状況 #
チームメンバーの忙しさが可視化されていない場合、またはチームメンバー同士でコミュニケーションがとれていない場合、気軽に相談していいか判断に悩むことがあります。
また、誰が何の仕事を、どのようなステータスで進めているかがわからないため、誰に何を聞いていいか、わからないことがあります。(know who がわからない状態)
解決策 #
何らかのオンラインツールを利用して、チームの業務ステータスを可視化しましょう。業務内容にも依存しますが、Jiraなどのチケットシステムや、Plannerのようなカンバンが利用可能です。
上司によるインフォーマル・レビューの実施 #
状況 #
中長期で設定した目標を、半年間放っておいて、評価のタイミングで慌てた経験はありませんか? 特に新メンバーの場合は、新しい環境や業務に馴染むことに必死になるあまり、配属当初に立てた目標やゴールを失念してしまうこともあります。あるいは、何かハードルにぶつかり、出したかった成果が出せず一人悩んでいることも考えられます。
このような状態を放っておいた場合、結果として業績はふるわず、初めての業績評価は散々だった、、、という事態に陥りかねません。「自分はこの組織にあっていないのでは/必要とされていないのでは」と早々に離職を検討する方も出てくるでしょう。このような事態は、会社としても、上司としても、絶対に避けたいものです。
解決策 #
雑談を踏まえた定期的な1 on 1とは別に、1ヶ月・3ヶ月・半年など期間を区切って目標や成果をレビューする機会を設けましょう。特に、中期・長期のありたい姿を合意している場合に効果的です。
もし期待と違っていた結果が出ていれば、コミュニケーションの強化や軌道修正を早いタイミングで実施することで、新メンバーでも成果をだせます。
備考 #
職場のコミュニケーション実践状況 #
職場でどのようなコミュニケーションに関連する施策が実施されているか、2020年入社のNTT Comグループの新メンバーにアンケートを取った結果がこちらです(N=222,複数回答可)。新メンバーのために、職場で様々な施策を実施してもらっていることがわかります。
相談できる人の存在と成長実感との関係 #
この他にも、「自分自身の描く成長/成果に対する現状の評価(自己認識)」も聞いています。既にご紹介した「職場で困ったときに相談できる方はいますか?」というアンケートと掛け合わせた結果のグラフがこちらです。全体的に「うまくいっている」と感じている方ほど、相談できる相手がしっかりと存在しています。
暗黙知の明文化 #
状況 #
チームが独自の言葉を使っている場合、新メンバーは話している内容を理解できず議論についていけなくなります。また、チームの文化や価値観がわからないことで、お互いに期待する動きが合わずに不満を抱えてしまうことにつながります。
解決策 #
暗黙知を明文化し、定期的にアップデートしていきましょう。チーム独自の言葉をまとめた用語集を作ることで、新メンバーは会話や議論を理解しやすくなります。また、チームの価値観や約束事をワーキングアグリーメントとしてまとめましょう。期待値を合わせることでチームが円滑に機能するようになり、新メンバーも自律的な判断が可能になります。
ワーキングアグリーメントには、チーム独自の約束事を記載します。たとえば、チームメンバーのワークスタイルによって、チャットのメンションはこの時間帯が好ましい、もしくは、Do not disturb機能などを利用しているためいつでもメンションしてよい、などの約束事があるでしょう。暗黙的なチームのルールを明示的に表現しておくことで、新メンバーがチームに入りやすくなります。
また、属人的なノウハウや知識をドキュメントにまとめ、チームに共有することで、新しい知識が生まれるきっかけになります。
雑談の場を設ける #
状況 #
メンバー間の信頼関係を深められる雑談ですが、実際には効果的に活用できていない状況があります。
- 雑談の場を新メンバーが設定することは難しい
- 他のメンバーのパーソナリティやメンバー間の関係を知る場がない
- ミーティングだと話すトピックが決まっており、雑談や別の相談がしづらい
解決策 #
TeamsやNeWorkを使い、毎日15分~30分の「朝会」や「雑談タイム」を設けているチームがあります。気軽に話せる場があると、相談するきっかけになります。
本ハンドブックを制作する過程で新入社員へのインタビューを行った際、雑談時間を設けている担当に配属された方からは、「忙しい上長・トレーナーの時間をおさえるのは躊躇してしまいがちなので、助かった」といった声が聞かれました。
雑談なので、無理にトピックを決めたり、当番を決めたりする必要はありません。
大切なのは、「入れる人だけ入る」「沈黙は悪くない」などのルールをチーム内で合意しておくことです。ただ毎日、声で挨拶をし合うだけでも人と人との距離は縮まりますし、新メンバーにとっては「わざわざ打ち合わせをするほどでもないけど、ちょっと相談に乗って欲しいこと」も話しやすくなります。